2015.06.12更新

 狂犬病は犬を飼っている人にとっては馴染みのある病名ではないでしょうか。狂犬病予防法によって毎年春に予防接種することが飼い主に義務づけられています。しかし、狂犬病については案外知らないことも多いのではないでしょうか。

 狂犬病は、狂犬病ウイルスによる感染症です。潜伏期間は感染部位により2週間から2年以上と様々ですが、いったん発症すると治療法はなく、2から7日で死に至る大変恐ろしい病気です。最近、韓国で流行しているMERS(中東呼吸器症候群)は致死率40%、エボラ出血熱は70~80%だと報道されていますが狂犬病はまさしく致死率100%で史上最強(悪?)のウイルスなのです。また、狂犬病ウイルスはすべての哺乳類に感受性があり、アジアではほとんどの場合犬が感染源(犬による咬傷)ですが世界的にみるとネコやアライグマ、コウモリ、キツネなどの野生動物も感染源となります。ただし、飛沫感染はなく、動物による咬傷が主な原因となるのでMERSやエボラ出血熱のような爆発的な流行になることはありません。しかし現在、狂犬病が発生していない地域(狂犬病清浄地域)は、日本、英国(グレートブリテン島およびアイルランドに限る)および北欧とオセアニアの一部のみでその他の地域では感染が確認されており毎年5万人以上の人が死亡していなす。

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投稿者: あぐり動物病院