2015.06.24更新

 犬、猫の消化管には様々な寄生虫が感染します。虫卵が直接口に入ることによって感染する回虫、鉤虫、鞭虫、中間宿主を介して経口感染する回虫(ネズミ、ゴキブリ、ミミズ)、多包条虫(野ネズミ)、瓜実条虫(ノミ)、皮膚から感染する鉤虫、また母親から胎盤または母乳を介して感染する回虫、鉤虫などが知られています。しかしながら、いずれも犬猫にとっては比較的病原性は低く、栄養状態の良い飼い犬、飼い猫に深刻な健康被害を引き起こすことは少ないといわれています。一方、これら犬、猫の内部寄生虫の中には人にも感染するものがあり、これを人畜共通感染症といいます。犬、猫の寄生虫にとって人の体は決して住みやすい環境とは言えず、快適な環境を求めて体内を移動したり、嚢胞と呼ばれる住み家を作ったりします。この結果、人に対して時として生命に関わるような深刻な健康被害を引き起こすことが知られています。最近は、ペットを家族の一員として人と同じように接することから、人とペットの距離が近くなっているといわれています。これは、ペットからの内部寄生虫の感染リスクを高めることになります。また、ハイハイをしていたりおもちゃを口に持っていくような乳幼児は感染リスクが高いと考えられます。そういったリスクを下げるために、内部寄生虫を定期的に駆除する定期駆虫という考え方が推奨されています。

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投稿者: あぐり動物病院