2016.04.03更新

 禁煙が難しいことの最大の要因は、喫煙者がニコチン依存症になっているからである。禁煙の難しさは、比較の方法にもよるが、ヘロインなどの麻薬に匹敵するという報告もある。気管支喘息を患っている高齢者が医者や家族から、「これ以上喫煙を続けたら本当に命にかかわるよ」ときつく言われ、周りには禁煙をしているように見せかけていたが、亡くなった後、複数の友人の家にたばこを「キープ」していたことが判明したという事例もある。禁断症状は、麻薬や覚醒剤ほどではないにしろ、完全に禁煙しそれを持続することは非常に難しいことなのだ。そこで、禁煙する際に、ニコチンをたばこ以外の方法で摂取し、タバコを吸いたいという衝動を和らげるというのがニコチン補充療法である。欧米で定着しつつある電子タバコは、タバコに代わる嗜好品であるが、禁煙を行うためのニコチン補充療法で用いるニコチン製剤は医薬品となる。そのためそのようなニコチン製剤を世に出すためには厚生省の認可が必要になる。今のところ日本にはニコチンを含有する電子タバコは販売されていないが、販売するとなると監督官庁は、厚生省、それとも財務省???

 実は、僕が外資系製薬に勤務していた時に最後に担当したのが、「ニコレット」と言う商品名で売られている、ニコチン含有チューインガムなのです。これまでタバコに関する話題が多いのはこれに起因しています。「ニコレット」開発にはいくつかの秘話もあるので、そのうちもう少し書ければと思っています。

 

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投稿者: あぐり動物病院