2015.07.09更新

 外耳とは、耳介と外耳道からなり鼓膜に音を伝える集音器の役割をはたします。外耳炎は急性あるいは慢性の外耳道上皮の炎症を主徴とする疾患で耳介にまで及ぶこともあります。症状としては発赤、痒み、耳垢の蓄積、膿汁の排せつや悪臭などがみられます。症状が進行すると外耳道がただれた状態になり、痛みのため触らせてくれなくなると、耳洗浄のたびに全身麻酔が必要になったりして治療に困難を伴うようになります。外耳炎に伴って、犬では耳血腫(耳介の血管が切れることにより内出血をおこし耳介が膨れ上がる状態)を起こしやすくなります。これは犬が耳道内の痒みのため頭部を頻繁に激しく振るためと考えられます。一方、猫では後肢で耳介を引っ掻くことにより耳介に潰瘍ができやすくなります。

 外耳炎の原因は、外耳道に蓄積した耳垢に細菌や酵母が繁殖し、耳道粘膜に感染が成立したもの、その他、耳疥癬(ダニ)の感染によるもの、アレルギーによるものなど様々あり、治療方法は原因によて異なります。しかし、いずれの原因による外耳炎も耳道内を清潔に保つことが治療と予防の基本となります。一般に耳の立っている種類の動物は風通しが良く耳道内が蒸れにくいため外耳炎の発症率は低くなります。逆に耳の立っていない、犬ではダックスフンド、プードル、シーズー、ビーグルなどの犬種、猫ではスコテッシュフォールドなどでは適切な耳洗浄を定期的に行わないと高確率で外耳炎を発症します。

 

ペットの関することは中原区、武蔵小杉駅徒歩7分のあぐり動物病院までお気軽にご相談ください。

投稿者: あぐり動物病院