2016.03.24更新

 最近ペット達も寿命が随分伸びて、その分介護の必要な動物も多くなりました。

 犬の痴呆テストというものがあります。

  □ 夜中に意味もなく、単調な大きな声で鳴き出し制止できない

  □ 歩行は前にのみトボトボ歩き、円を描くように歩く

  □ 狭いところに入りたがり、自分で後退できないで鳴く

  □ 飼い主、自分の名前、習慣行動がわからなくなり、何事にも無反応

  □ よく寝て、よく食べて、下痢もせず、痩せてくる

 上記5項目のうち2項目以上当てはまる13歳以上のワンちゃんは痴呆の疑いがあります。

 老化の一種でもあり、画期的な治療法は残念ながらありません。痴呆症に対する対処方法はその症状の種類、程度や飼い主の事情等により様々となります。最適な方法を話し合いながら考えていくしかありません。

ペットに関することは中原区、武蔵小杉駅徒歩7分のあぐり動物病院までお気軽にご相談ください。

投稿者: あぐり動物病院

2016.02.28更新

 バクテリアとは細菌のことで、ウイルスと違って光学顕微鏡で見ることができます。従ってその分類はグラム染色による染色性とその形態によって分類されます。グラム染色により紫色に染まるグラム陽性菌と、赤色に染まるグラム陰性菌に分類され、次にその形態が球形か棒状かによって球菌と桿菌に分類されます。細菌は地球上のあらゆる環境に存在しており、光合成や窒素固定、有機物の分解過程などの物質循環において非常に重要な役割を果たしている。ウイルスはヒトやそのほかの動物に対して病気の原因となるものが多いのに対し、細菌も一部のものは病原細菌として感染症の原因となるが、人間の日常生活において欠かすことのできないものである。食品関係においてはチーズ、納豆、ヨーグルトといった発酵過程においては微生物学発展以前から用いられており、腸内細菌群は食物の消化過程では欠かすことのできないものである。

 

ペットに関することは中原区、武蔵小杉駅徒歩7分のあぐり動物病院までお気軽にご相談ください。

投稿者: あぐり動物病院

2016.02.23更新

 ウイルスと言うと、いろいろな感染症の原因となる病原体としてよく知られた存在です。ウイルスは、細菌等とともに、微生物と呼ばれることがありますが実はウイルスは生物かどうかは怪しいのです。ウイルスは遺伝子を有し、他の細胞を利用して増殖できると言う生物の特徴を持っていますが、細胞をその構成単位としていないため非生物として位置づけられ、「生物学的存在」というような言い方をされる場合もあります。つまり、ウイルスは単独では増殖できず、他の細胞に寄生したときにのみ増殖でき、このことを偏性細胞内寄生性と言います。この点でいうと、ブドウ球菌や大腸菌といった細菌は必要な栄養素と環境があれば独自で増殖できることかられっきとした一人前の生物といえます。

 さて、ウイルスはいろいろな感染症の原因となりますが、風邪の原因もウイルス感染によるものです。風邪に対するお薬として抗生剤を処方することがありますが、実はウイルスに対しては抗生剤はまったく効果はありません。ウイルスの感染により鼻や気管支等の粘膜が荒れ、抵抗力が弱ることにより細菌二次的に感染、増殖します。このことにより鼻汁や痰が多くなった時に細菌の増殖を抑えるために抗生剤を処方します。ヒトのウイルス感染に対する治療薬として最近様々な抗ウイルス薬が開発されていますが、動物薬ではまだ直接ウイルスに効果が確立された抗ウイルス薬はありません。従って、特に風邪のような症状には対症療法を中心に治療し、本人の自己治癒力をサポートしてあげることが大切です。

 

 ペットに関することは中原区、武蔵小杉駅徒歩7分のあぐり動物病院までお気軽にご相談ください。

投稿者: あぐり動物病院

2015.07.27更新

 腎臓、尿管、膀胱および尿道のどこかに結石ができた状態を尿路結石症といいます。結石の成分は多種多様ですが、代表的なものにストロバイト、シュウ酸カルシウムがあります。これらは、尿検査でその結晶を顕微鏡で観察することで多くの場合診断することができます。尿路に結石が形成されると結石自体の物理的刺激によって尿路に炎症が引き起こされます。その結果、頻尿、血尿などの症状が現れます。尿道に結石が詰まると尿が排出できなくなり膀胱破裂あるいは腎不全を起こして死に至る場合もあります。したがって、尿閉(おしっこが出なくなる状態)は緊急事態と考えなければなりません。特に猫のオスは尿道が細く、ペニス先端部分では結石になる前の結晶でも粘土のような状態で閉塞を起こすことがあります。結石を形成してしまった場合には外科的に膀胱切開することにより取り出すしかありませんが、症状のないうちに尿検査で結晶を確認できれば、食事療法でほとんどの場合尿石症を予防することができます。ただし、食事療法は継続することが大切で、中止すると高い確率で再発することが知られています。このことから、尿石症は病気というよりも一般の犬、猫にとって理想的もしくは十分と考えられるフードが合わない体質なのだと考えられます。

 ペットに関することは、中原区、武蔵小杉駅徒歩7分のあぐり動物病院までお気軽にご相談ください。

投稿者: あぐり動物病院

2015.07.09更新

 外耳とは、耳介と外耳道からなり鼓膜に音を伝える集音器の役割をはたします。外耳炎は急性あるいは慢性の外耳道上皮の炎症を主徴とする疾患で耳介にまで及ぶこともあります。症状としては発赤、痒み、耳垢の蓄積、膿汁の排せつや悪臭などがみられます。症状が進行すると外耳道がただれた状態になり、痛みのため触らせてくれなくなると、耳洗浄のたびに全身麻酔が必要になったりして治療に困難を伴うようになります。外耳炎に伴って、犬では耳血腫(耳介の血管が切れることにより内出血をおこし耳介が膨れ上がる状態)を起こしやすくなります。これは犬が耳道内の痒みのため頭部を頻繁に激しく振るためと考えられます。一方、猫では後肢で耳介を引っ掻くことにより耳介に潰瘍ができやすくなります。

 外耳炎の原因は、外耳道に蓄積した耳垢に細菌や酵母が繁殖し、耳道粘膜に感染が成立したもの、その他、耳疥癬(ダニ)の感染によるもの、アレルギーによるものなど様々あり、治療方法は原因によて異なります。しかし、いずれの原因による外耳炎も耳道内を清潔に保つことが治療と予防の基本となります。一般に耳の立っている種類の動物は風通しが良く耳道内が蒸れにくいため外耳炎の発症率は低くなります。逆に耳の立っていない、犬ではダックスフンド、プードル、シーズー、ビーグルなどの犬種、猫ではスコテッシュフォールドなどでは適切な耳洗浄を定期的に行わないと高確率で外耳炎を発症します。

 

ペットの関することは中原区、武蔵小杉駅徒歩7分のあぐり動物病院までお気軽にご相談ください。

投稿者: あぐり動物病院

2015.07.01更新

 高齢になると犬では慢性心不全が増加し、猫では慢性腎不全が増加します。理由は不明です。慢性腎不全とは数か月から数年にかけて徐々に腎機能が低下する疾患で末期には萎縮腎を形成する高齢猫では死因の上位を占める進行性の致死的な病気です。腎臓は代償能が高く、その機能は75%まで代償されるといわれています。代償能とは腎臓の機能単位である機能ネフロンの減少に伴い、残存ネフロンの1ネフロンあたりの糸球体濾過量が上昇することで腎機能を維持しようとする能力のことですが、これは健康なネフロンに過重の負担を強いることにもなります。つまり、多飲、多尿といった慢性腎不全の初期症状を認めた時にはすでに75%以上の腎機能が失われていることになります。病期が進行し、食欲不振、元気消失、毛づやの悪化、嘔吐、貧血等の全身症状が認められたときにはすでに90~95%の腎機能が失われていることになります。そして、残念ながら一旦失われた腎機能は回復することはありません。従って、慢性腎不全の治療はできるだけ早期に発見し、残っている正常な腎組織にできる限り負担をかけず保護、温存することが主眼になります。そのために大切なことは定期的な健康診断等による早期発見に努め、毎日の正しい食事療法から始め、腎不全のステージ(病気の進行度)に合わせた適切な薬物療法が大切になります。そうすることで病気の進行を遅らせることができます。

ペットの関することは中原区、武蔵小杉徒歩7分のあぐり動物病院までお気軽にご相談ください。

投稿者: あぐり動物病院

2015.06.27更新

 心不全とは心機能の異常により心臓が全身に十分な血液を拍出できなくなった状態をいいます。このため体循環血液量が減少しますが、心臓はこれを補おうとして頑張ります。その結果、心室の拡張期圧が上昇し、肺や体循環系にうっ血や浮腫の症状が現れます。犬では、加齢とともに僧房弁閉鎖不全による慢性心不全が増加します。これは心臓の左心房と左心室の間にある二枚の薄い弁(僧房弁)が粘液性変性によって肥厚し完全に閉鎖できなくなって心臓が収縮する際に全身に拍出されるべき血液の一部が左心房内に逆流することによる慢性の心不全です。初期症状としては心内雑音を聴取するのみですが、進行すると運動不耐性(運動を嫌がる)、運動時や夜間から朝方にかけての発咳(肺のうっ血、肺水腫)が認められるようになり、さらに進行すると呼吸困難を呈し、舌が紫色(チアノーゼ)になったり失神したりするようになります。マルチーズ、シーズー、ポメラニアン、プードル等が好発犬種といわれていますが、あらゆる犬種に発生する可能性のある後天性の心臓病です。根治的な治療方法は残念ながらありませんが早期発見することにより段階的な内科的治療で進行を遅らせることが可能です。

 ペットに関することは、中原区、武蔵小杉駅徒歩7分のあぐり動物病院までお気軽にご相談ください。

投稿者: あぐり動物病院

2015.06.24更新

 犬、猫の消化管には様々な寄生虫が感染します。虫卵が直接口に入ることによって感染する回虫、鉤虫、鞭虫、中間宿主を介して経口感染する回虫(ネズミ、ゴキブリ、ミミズ)、多包条虫(野ネズミ)、瓜実条虫(ノミ)、皮膚から感染する鉤虫、また母親から胎盤または母乳を介して感染する回虫、鉤虫などが知られています。しかしながら、いずれも犬猫にとっては比較的病原性は低く、栄養状態の良い飼い犬、飼い猫に深刻な健康被害を引き起こすことは少ないといわれています。一方、これら犬、猫の内部寄生虫の中には人にも感染するものがあり、これを人畜共通感染症といいます。犬、猫の寄生虫にとって人の体は決して住みやすい環境とは言えず、快適な環境を求めて体内を移動したり、嚢胞と呼ばれる住み家を作ったりします。この結果、人に対して時として生命に関わるような深刻な健康被害を引き起こすことが知られています。最近は、ペットを家族の一員として人と同じように接することから、人とペットの距離が近くなっているといわれています。これは、ペットからの内部寄生虫の感染リスクを高めることになります。また、ハイハイをしていたりおもちゃを口に持っていくような乳幼児は感染リスクが高いと考えられます。そういったリスクを下げるために、内部寄生虫を定期的に駆除する定期駆虫という考え方が推奨されています。

 ペットに関する事は、中原区武蔵小杉駅徒歩7分のあぐり動物病院にお気軽にご相談ください。

投稿者: あぐり動物病院

2015.06.17更新

 フィラリアは蚊が媒介する感染症です。フィラリアに感染している犬の血液を蚊が吸血する際にミクロフィラリアを一緒に吸引し、蚊の体内で感染幼虫に成長します。その蚊が他の犬の血液を吸引する際に感染幼虫が取り込まれ、犬の体内を移動しながら成長し、肺や心臓で成虫になります。成虫は糸状で長さは、雌で28cm、雄で17cmにもなります。フィラリア症になると、運動不耐性(運動を嫌がる)、発咳、元気食欲の低下等の症状がみられます。重症化すると、後大静脈塞栓症(ベナケバ症候群)をおこし、血尿を伴うショック状態になって、突然死にいたります。フィラリア症の治療には内科的、外科的方法がありますが、いずれも犬にとってかなり負担の大きいものになります。古典的な外科的治療法として頸静脈から長い専用の鉗子を心臓まで入れてフィラリアを釣り出す方法(フィラリア釣り出し術)がありますが、今、この治療法を自信をもって安全に行える獣医師は果たして何人いるか・・・・・。ちなみに釣り出したフィラリアは1匹、2匹ではなく1隻、2隻と数えます。いずれにしても、フィラリアは予防することが第一です。フィラリアの予防薬はいろいろなタイプのものがありますが、体内に侵入した感染幼虫を成虫になる前に駆除するタイプが一般的です。蚊の発生時期に従って一定期間、定期的に予防薬を投与することで確実に予防できます。関東では5月中旬から投与を開始し、12月中旬を最後にその年の予防が完了します。

 ペットに関することは中原区・武蔵小杉駅徒歩7分のあぐり動物病院までお気軽にご相談ください。

投稿者: あぐり動物病院

2015.06.12更新

 狂犬病は犬を飼っている人にとっては馴染みのある病名ではないでしょうか。狂犬病予防法によって毎年春に予防接種することが飼い主に義務づけられています。しかし、狂犬病については案外知らないことも多いのではないでしょうか。

 狂犬病は、狂犬病ウイルスによる感染症です。潜伏期間は感染部位により2週間から2年以上と様々ですが、いったん発症すると治療法はなく、2から7日で死に至る大変恐ろしい病気です。最近、韓国で流行しているMERS(中東呼吸器症候群)は致死率40%、エボラ出血熱は70~80%だと報道されていますが狂犬病はまさしく致死率100%で史上最強(悪?)のウイルスなのです。また、狂犬病ウイルスはすべての哺乳類に感受性があり、アジアではほとんどの場合犬が感染源(犬による咬傷)ですが世界的にみるとネコやアライグマ、コウモリ、キツネなどの野生動物も感染源となります。ただし、飛沫感染はなく、動物による咬傷が主な原因となるのでMERSやエボラ出血熱のような爆発的な流行になることはありません。しかし現在、狂犬病が発生していない地域(狂犬病清浄地域)は、日本、英国(グレートブリテン島およびアイルランドに限る)および北欧とオセアニアの一部のみでその他の地域では感染が確認されており毎年5万人以上の人が死亡していなす。

 ペットに関することは中原区、武蔵小杉駅徒歩7分のあぐり動物病院までお気軽にご相談ください。

投稿者: あぐり動物病院

前へ