2016.03.26更新

 僕が煙草を始めた頃、昭和五十年代は世の中に灰皿が溢れ、喫煙できない場所などほとんどなかった。受動喫煙、分煙という言葉すらなかったと思う。駅のホームでは柱の一本一本に灰皿が括り付けてあった。職場でも自分の席で自由に喫煙できるのが当たり前だったし、テレビドラマで新聞記者が徹夜した後の象徴的なシーンが吸い殻で山盛りになった灰皿だったりした。駅のホームの灰皿は柱一本一本からホームの端っこに大型の灰皿一個になり、そのうちホーム全体が禁煙となるのにそれほど時間はかからなかった。職場では、各企業の喫煙に対するスタンスの違いから時間差はあったものの、概ね喫煙ルームを設けて分煙しているところがほとんどである。家庭では、昔は居間のテーブルの中央にガラス製の大きな灰皿が鎮座していたものだが、受動喫煙が注目されて以来、スモーカーの指定席は、ほぼ台所の換気扇の下あたりが相場である。そのうち子供が生まれたりすると、その指定席すら煙たがられ、ベランダへと追いやられるのである。ベランダへ追いやられたスモーカー達はやや憐れみを込めて蛍族などと呼ばれていたのだが、集合住宅などでは風向きの具合によって近所から苦情が寄せられてベランダでの喫煙が禁止されたところもある。そうなると、自宅では喫煙できなくなり外の公園などに行かざるを得なくなるが、最近公園にも灰皿など設置されていないので携帯用の灰皿をもっていって、風向きを考え、人に迷惑がかからないように吸わなければならない。まったく、スモーカーには住みにくい世の中になっているのです。それなら、タバコなど止めてしまえば良いのですが、これがなかなか難しいのです。それについては、また今度。

 

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投稿者: あぐり動物病院