2016.03.27更新

 公共施設のほとんどが禁煙となっている今日この頃、若い人たちにとってはかつて電車の中で喫煙できる時代があったというほうが新鮮に感じるかもしれない。今、言っている電車というのは長距離の特急列車や新幹線のことだが、そういえば中学生のころ通学で使っていた電車には灰皿がありました。僕が使っていたのは北陸本線、田舎のローカル線でした。平均で一時間に一本、通勤時間帯でも一時間に2~3本程度で、通勤ラッシュとは無縁の世界でした。ネットで調べてみると山手線の電車にも30年前には灰皿があったそうです。これはこれでおもしろいものがありますが、話を長距離電車に戻します。

 分煙という言葉すらなかった時代には、電車の中で自由に喫煙できました。その後、禁煙車両が導入されました。まだまだ喫煙率の高かった時代には喫煙者の利便性を考慮しつつどうしてもタバコの嫌いな少数の権利を守るという方法でした。その後、受動喫煙の害が認識されるようになり一般車両は禁煙だが、喫煙のできる車両、喫煙車が導入されました。が、僕の記憶ではこの当時、車両と車両の間(デッキ)での喫煙はOKだったような気がします。喫煙車両が多かった時代には家族旅行の際、お父さんがタバコ吸うから喫煙車でもいいかという事もありましたが,喫煙車両がどんどん減っていくと、喫煙車両を利用する喫煙者の割合が急速に増え、喫煙車内の空気が最悪となりました。タバコを吸うお父さんのいる家族は禁煙車両を選択し、お父さんは喫煙のために禁煙車に行き立ってタバコを吸うようになります。実際、全面禁煙となる前の新幹線の喫煙車に東京駅から乗った時のことを覚えています。始発のためまだ誰もタバコを吸っていないのだが壁に染み付いた匂いが鼻を衝く。ドアが閉まって列車が動き出すと乗客たちはその出発を待っていたかのように一斉にタバコに火をつける。たちまち、車内はたばこの煙でもやがかかった。いくつかの空席には禁煙車から入れ替わり立ち代わり煙草を吸いに来る。自身が喫煙者でも耐えられないような状態でした。

 喫煙車両の入り口から出口が煙で曇って見えないような状態が想像できるでしょうか。いろいろな分煙対策をとってきた結果、行き着いた悲惨な喫煙車両の状況が全面禁煙を選択するしかなくなった一つの原因ではないかと思います。

 

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投稿者: あぐり動物病院