2016.03.28更新

 今はもうなくなったサウスウェスト航空でカナダのモントリオールであった学会に出席した時のことである。二十年程前だと思うが、飛行機に喫煙席があったのです。当時、スウェーデンに本社を置く外資系製薬会社の社員だったのでスカンジナビアン航空(SAS)を使て本社に何回か出張の機会があったが、SASは、その頃既に機内は全面禁煙になっていたし、アーランダ空港も全面禁煙だったような気がします。

 いずれにしても、当時、秘書の子が気を利かせて喫煙席を予約してくれたのですがこれがとんでもないことだったのです。成田から飛行機に乗り込んで自分の席を探すと、最後部席の中央側6列席の通路から2列目でした。シートベルトをしめて待っていると、間もなく出発しますとのアナウンスがあったが、通路側の隣の席は誰も乗ってこず、十数時間のフライト時間を考えるとラッキーと思った。そうこうしているうちに、飛行機は離陸しシートベルト着用のサインが消えました。さーてと思ってシートを後ろに少し倒そうとしたところピクリとも動かない。スチュワーデスに聞くと最後部席はリクラウニングできないとのこと。禁煙サインも消えたので煙草を一本吸って気を取り直していると、誰かが隣の席に座ってきて煙草をすいはじめた。あっ、こいつ禁煙席から煙草を吸いに来やがったなと思っているうちになんと、隣の空席に喫煙待ちの行列ができてしまったのだ。通路やトイレでの喫煙は禁止されているので、喫煙席にみんな吸いに来るのだ。通路での喫煙は禁止と言いつつ、なんと、斜め後方でスチュワーデスが立ったままタバコを吸っているのです。そんなこんなで十数時間の間絶え間なく隣の席で誰かが煙草を吸い続けるということになったのです。スチュワーデスが客の前でたばこを吸うなどというのはもちろん言語道断ではあるが、出発前の安全に関する説明中も同僚と無駄話をしてクスクス笑っているなど緊張感のかけらも感じられなかった。後日、このことを人に話すと、ノースウェストは、ノースワーストと陰口されていることを知りましたが、やはりいつの間にか淘汰されてなくなっていました。

 

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投稿者: あぐり動物病院