2016.03.29更新

 僕が煙草を吸い始めた年に「セブンスター」という銘柄がちょうど新発売された。最初は「セブンスター」を吸っていたが、しばらくして、「ハイライト」という銘柄に変え禁煙するまで続いた。「ハイライト」はおそらく僕が禁煙するまではニコチンやタールの含量は変わらなかったと思うが、「セブンスター」は「マイルドセブン」、「マイルドセブンライト」など、どんどん軽い銘柄が発売された。禁煙して十年余りになるが、久々にタバコの自動販売機をのぞいてみると、ほとんどが見たことのない銘柄になっていて驚いた。そして、その銘柄のニコチン、タールの含有量を見るとどれも昔の銘柄と比べて随分低いことに驚いた。最近の健康志向が影響しているのだろう。

 しかし、健康志向で軽い煙草に変えることには大きな落とし穴があることを知っているだろうか。禁煙が難しいのは煙草に含まれるニコチンにあることはよく知られている。喫煙者はみなニコチン依存症になっているのである。体内のニコチン濃度が低下するとそれを補うためにタバコを吸いたくなるのだ。そして、そのニコチン依存の程度は各人様々でそれによって各人が様々なニコチン含有量の銘柄を一日何本、または何箱吸うかがきまるのだ。ここで、たばこは健康によくないからと、かるい煙草に変えたとします。しかし、その人が満足できるニコチンの量は決まっているので、欲求に任せて喫煙すれば当然、喫煙本数が増えます。しかし、せっかく健康のために軽い煙草にしたのだからと固い意思の力で一日の喫煙本数を増やさないように努力します。しかし、体のほうは必要なニコチン量を満たすためフィルターのぎりぎりまで吸ってしまうようになります。それを見た人の「そんなぎりぎりまで吸うとタバコの有害物質を多く取り込むことになるよ」との指摘に対し、またまた強力な意思のもとに三分の一を残して煙草を消すように決めて実行できたとします。しかし、体のニコチン欲求もさるもの、今度は無意識のうちに一服のたばこの煙を深呼吸するがごとく肺の奥深くに送り込むようになるのです。かくのごとく、かるい煙草に変えても健康のためになるにはかなりの努力が必要で、努力に見合った利はないのです。どうせ苦労するなら、ちまちまとかるい煙草などと言ってないでスパッと禁煙を決意すべきなのです。

 

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投稿者: あぐり動物病院