2015.10.27更新

 周りの人が吸うたばこの煙にさらされることを受動喫煙といいます。先日、家族の喫煙によって子供が虫歯になる危険性が2倍になるという研究結果が発表されました。

 元々、喫煙は肺がんを始めとする様々な病気の原因、誘因または悪化要因と考えられており、健康に対しては百害あって一利なしが定説となっているので、「虫歯よお前もか」ぐらいで特に驚きの結果ではないのかもしれません。しかしながら、喫煙者本人ではなくその家族である子供の虫歯を増やすというところが罪深いと思われます。

 煙草のようないわゆる嗜好品は色々ありますが最近、科学的あるいは疫学的に健康に対する影響が調べられるようになってきました。緑茶は飲めば飲むほど健康に良いという結果がたくさん報告されており、一時、健康にはあまり良くないのではないかと思われていた珈琲も糖尿病に予防的に働いているのではないかという報告がされています。酒に関しては「過ぎたるは及ばざるがごとし」は各自経験上ご存知のことと思いますが、適量を守れば「百薬の長」であるとのエビデンスは多数報告されています。但し、妊婦に対しては適量というものはなく、少量でも胎児に悪影響をもたらすとして、米国小児学会が一切の飲酒をしないようにと、つい先日勧告しました。

 いずれにしろ、長く愛されてきた嗜好品は改めて調べてみると何かしら有難いご利益があることがわかる場合が多いようなのですが、煙草に限ってはどうやらそのようなものは一切なさそうです。今後、煙草に何らかのご利益が見つかったとしても、発がん物質を始めとする有害物質てんこ盛りの煙草の煙の有害性を上回ることはないと思われます。その有害性はペット達にとっても変わるものではありません。

 

ペットに関するご相談は中原区、武蔵小杉駅徒歩7分のあぐり動物病院までお気軽にご相談ください。

投稿者: あぐり動物病院

2015.10.20更新

今、獣医師というとほとんどの人は町の動物病院の先生、犬や猫を診る獣医師を連想されると思います。しかしながら、これは昨今のペットブームによるもので、時代によって色々変遷がありました。戦国時代にまでさかのぼらなくても(戦国時代に獣医師という職業があったかは定かではありませんが)すくなくとも先の太平洋戦争までは獣医師の最も重要な診療対象動物は馬つまりは軍馬でした。言われてみれば然も有りなんですがちょっと意外感もありますね。

その後、酪農が発達するとともに、牛、豚、鶏などの所謂、産業動物が主な対象動物となりました。僕が学生時代には授業の対象は主に産業動物だったし、卒業後小動物臨床を目指すものは1割程度でした。産業動物が対象ということは個別の動物を治療するというよりは公衆衛生といった観点から動物を群れとして扱います。何年か前に発生した牛の口蹄疫や、繰り返される鶏のインフルエンザなどの流行を抑えるために一定地域の動物を殺処分するということも行われます。

一方、ペットを対象とする診療では個々の動物の病気と向き合うことになります。特に最近ではペットを家族の一員と考え人と同じような医療を求める人が増えています。時代とともに獣医師に求められるニーズも変化しますが、これに適切に対応していくことが重要だと思っています。

 

ペットに関することは中原区、武蔵小杉駅から徒歩7分の あぐり動物病院までお気軽にご相談ください。

投稿者: あぐり動物病院