2016.04.03更新

 禁煙が難しいことの最大の要因は、喫煙者がニコチン依存症になっているからである。禁煙の難しさは、比較の方法にもよるが、ヘロインなどの麻薬に匹敵するという報告もある。気管支喘息を患っている高齢者が医者や家族から、「これ以上喫煙を続けたら本当に命にかかわるよ」ときつく言われ、周りには禁煙をしているように見せかけていたが、亡くなった後、複数の友人の家にたばこを「キープ」していたことが判明したという事例もある。禁断症状は、麻薬や覚醒剤ほどではないにしろ、完全に禁煙しそれを持続することは非常に難しいことなのだ。そこで、禁煙する際に、ニコチンをたばこ以外の方法で摂取し、タバコを吸いたいという衝動を和らげるというのがニコチン補充療法である。欧米で定着しつつある電子タバコは、タバコに代わる嗜好品であるが、禁煙を行うためのニコチン補充療法で用いるニコチン製剤は医薬品となる。そのためそのようなニコチン製剤を世に出すためには厚生省の認可が必要になる。今のところ日本にはニコチンを含有する電子タバコは販売されていないが、販売するとなると監督官庁は、厚生省、それとも財務省???

 実は、僕が外資系製薬に勤務していた時に最後に担当したのが、「ニコレット」と言う商品名で売られている、ニコチン含有チューインガムなのです。これまでタバコに関する話題が多いのはこれに起因しています。「ニコレット」開発にはいくつかの秘話もあるので、そのうちもう少し書ければと思っています。

 

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投稿者: あぐり動物病院

2016.04.01更新

 家畜飼養学という科目があった。これは家畜に必要な栄養素に関する研究をする学問である。牧場での牛、豚、馬そして、鶏をも含む産業動物の栄養学に関する、実用的な学問である。その学問の基礎を踏まえ、様々な牧場では独自に栄養学的な工夫をし、その家畜にさまざまな付加価値を付与し、ブランド化に成功しているところもある。そのもっとも有名な例が、ビールを飲ませて肉を霜降りにした、神戸牛がある。豚のエサにある種のハーブを加えることで、その脂身に独特な甘味と旨みを加えることに成功したり、愛媛のタイの養殖業者がそのエサにミカンの皮を混ぜることにより鯛の刺身にほんのりと柑橘系の香りをつけることに成功した例がある。

 学生時代、家畜飼養学教室の同級生が、牛の飼料としてコーヒーの出し殻を利用できないかということを研究していた。コーヒーの出し殻というのはローストしたコーヒー豆を粉砕したものからコーヒーの香りと熱湯に溶出する成分をとった残りかすである。喫茶店では実際に大量の生ごみとして破棄されている。豆腐を作った後のおからは実際に飼料としてつかわれている。豆腐はかなりの圧力をかけてしぼりだした残りかすであるが、繊維やたんぱく豊富な飼料になっている。熱湯でろ過しただけのコーヒー豆にはそれ以上の栄養価が期待できるとして、近くの喫茶店に頼み込みコーヒー豆を研究室で飼っているホルスタイン種に飼料の10%を目安に投与した。その牛はコーヒーの出し殻を食べ始めても下痢することもなく、体調に変化なかった。ところが2~3週間すると牛乳の色がやや黄色から薄い茶色がかった色味となり、ほんのりコーヒーの香りがつき始め、一か月すぎるころには、色味は茶色というにはかなり薄いが、誰飲んでもコーヒーフレーバーを感じられる程度の珈琲牛乳が完成した。僕たちは、これを究極の珈琲牛乳と命名したが、未だ一般の牧場で商業ベースで生産されるという噂は聞かない。

 

 今日は平成28年4月1日である。

 

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投稿者: あぐり動物病院